研究に利用する施設・装置例
木村研究室ではSPring-8などの大型放射光施設のほか、光学素子を作製するために様々な半導体製造プロセス装置を利用しています。また光学系設計・装置作製も得意としており、理化学研究所や高輝度光科学研究センターと共同で、顕微イメージングシステムなど数多くのX線光学装置の開発を推進しています。
大型放射光施設
SPring-8
(Super Photon ring-8 GeV)
兵庫県播磨に所在する周長1.5 kmを誇る世界最大の放射光施設です。光速近くまで加速した荷電粒子を偏向させた際に生じる高輝度な電磁波(シンクロトロン放射光)を利用し、物質の微細構造や化学状態の解析など、最先端の科学技術研究・産業応用が行われています。木村研究室では、X線光学素子開発や顕微鏡応用などに頻繁に利用しています。
HomepageX線自由電子レーザー施設
SACLA
(SPring-8 Angstrom Compact free-electron LAser)
SPring-8サイト内に併設されている全長およそ800メートルのX線自由電子レーザー施設です。高いピーク輝度(SPring-8の10億倍)、短い時間幅(10-15秒)、可干渉性といった特徴を持ったX線のレーザーを利用可能で、木村研究室ではこうした特徴を活かした液中試料の高分解能スナップショット撮影などに取り組んでいます。
Homepage東京大学 超微細リソグラフィー・ナノ計測拠点
武田先端知
スーパークリーンルーム施設
東京大学本郷キャンパス(浅野キャンパス)に設置されている大型のクリーンルーム施設です。超高速電子ビームリソグラフィ装置をはじめ、最先端の半導体プロセス装置群が整備されており、SPring-8で利用するX線光学素子の作製などを行っています。
マネージャーの三田先生曰く、「山手線内最強」の施設です。
軟X線タイコグラフィ装置
CARROT
(Coherent Achromatic Rotational Reflective Optics for pTychography)
木村研究室で新たに開発した軟X線顕微イメージング装置です。タイコグラフィと呼ばれる計算機を活用した高分解能イメージング技術を利用することで、従来手法では達成困難な分解能での試料観察を実現しています。
医学・生物・材料など様々な分野の共同研究者と応用研究に取り組んでおり、X線分析技術と融合させた元素分析や化学状態解析など、他顕微手法にはない特徴的な実験を行っています。
高分解能コヒーレント回折イメージング装置
MAXIC-S
(Multiple Application X-ray Imaging Chamber-S)
理化学研究所・高輝度光科学研究センターと共同で開発した、SACLA用のX線顕微イメージング装置です。X線や電子線を利用した計測では一般的に放射線損傷による試料の構造変性が問題になります。本装置では、SACLAの超短パルス(10-15秒)を100 nmに集光可能なX線をミラー光学系を利用することで、損傷が生じる前の試料構造をダイレクトに高分解能観察することができます。
全反射ウォルターミラー光学系
軟X線集光・結像システム
東京大学大学院理学系研究科の本山央人博士、理化学研究所の江川悟博士らと共同で、SACLAの軟X線ビームラインを利用した新規X線光学システムの開発に取り組んでいます。高効率・無色収差といったウォルターミラーの長所を活かした、様々な先端的実験を行っています。
その他
半導体プロセス装置
試料作製・評価装置など
研究室自体でもマスクレス露光装置や反応性イオンエッチング装置などの半導体プロセス装置のほか、試料評価用の様々な顕微鏡などの装置を所有しています。
東京大学物性研究所の共同利用システムを通じての外部ユーザー対応も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。